私が過去どのように資産形成を行ってきたか,簡単にご紹介します.
素人が株式投資を行う際の問題点
私,縞縞猫は,若い頃から節約と貯蓄を心がけてきました.おかげさまで,給与水準が同程度の世間一般のサラリーマンと比較して,それなりに多くの金融資産を蓄えることができたと思います.
ただし,金融資産のほとんどは,元本保証の預貯金でした.1990年頃までは,預貯金でも年4~6% くらいの利息が得られたので,複利でどんどん殖えたのですが,その後,預貯金利率は下がる一方.近年では,短期のキャンペーン等を除くと,ほとんどが0.1%以下になっています.
ある時期から,資産の一部で投資信託や株式投資もはじめました.投資信託は,証券会社の窓口で勧められるままにアクティブ投信をいくつか購入しました.ファンドによって,利益が出たり損失が出たり様々ですが,トータルすると若干の損失だったように記憶しています.それに比べて,株式投資ではある程度利益が得られました.とはいえ,トータルの投資額は余裕資金の10~20%程度ですから,利益や損失といっても大した額にはなりません.
投資額を増やせば,株式でもっと利益が得られるように思いましたが,それには大きな問題がありました.というのも,少額の投資でさえ,売買するとなると情報収集が必要となります.また,相場の値動きも気になります.そうすると,勤務中でも株価が気になるようになり,仕事に支障が出てきます.また,売買のタイミングや銘柄を後悔することも出てきます.「売らずに我慢すれば大儲けできたのに…」「下がる前に売っときゃよかった…」「あと半年待ってから買えばよかった…」「この株には手を出すべきじゃなかった…」などなど.もし,このまま投資額を増やすと,仕事が手に着かない,夜も眠れない,という状況に陥る危険性が高かったように思います.
ドルコスト平均法による時間分散
そんな中で,タイミングを計らずに,毎月一定額ずつ積み立てる,いわゆる「ドルコスト平均法」の威力を思い知らされる出来事がありました.私が以前に勤めていた会社で,社員持株会に入り,積立投資を行っていました.積み立てを始めてから,この会社の株価は下降する一方でしたが,気にせず月々少額の積み立てを続けていました.結果的に,「安いときに多く買う」を実践することととなり,転職する頃には意外なほどに株数が増えていました.その後,株価が上がった際に売却し,幾ばくかの利益が得られました.
この場合,利益が得られたのは単に運が良かっただけ,とも言えます.個別銘柄だと,いくらドルコスト平均法で積み立てても,株価が下がり続けることもありうるし,最悪の場合は倒産して紙屑になるかもしれません.また社員持株会は,会社が危機に陥った場合,仕事と資産の両方を同時に失うリスクもあります.
しかし,月々一定額を積み立てることで,日々の株価変動を気にすることなく,結果的に高値買いを避け,平均的に見れば無難な価格で購入できるわけで,心の安定を保ちながら「ほったらかし」で投資を続けられるという意味で,ドルコスト平均法は非常に良い方法だと痛感しました.
インデックス投資による投資対象の分散
銘柄選択に関しても,手間をかけずに分散させたいと思うようになりました.これについては,インデックス投資,すなわち各種の指数に連動する金融商品に投資することで,多数の株式や債券に分散投資できることを知りました.まず,国内外の株式,債券,リートなど,いくつかのアセットクラスへの投資比率,すなわちアセットアロケーションを決めます.そして,その比率に従って,インデックスに連動するファンドやETFを購入することで,世界経済への分散投資ができます.
投資戦略の転換
私は,アベノミクスで株価が上昇した2013年前半に,所有していた株式の大半を売却しました.それを機会に,預貯金(大半)と株式(少額)の組み合わせから,インデックス投資+ドルコスト平均法 を主体とする投資戦略へ,転換を徐々に図ることとしました.
